「海外送金、結局どれが一番安いの?」——この問いに、多くの比較記事は手数料の表示額を並べて答えます。ですが、それでは正しい答えにたどり着けません。
なぜなら、海外送金のコストは表示される手数料と、為替レートに隠れたコストの合計だからです。そして後者は、明細のどこにも書かれません。
本記事では、Wise・銀行・Revolut・PayPalという4つの選択肢について、料金構造を一度バラバラに分解し、同じ条件で並べ直します。そのうえで、金額帯・用途ごとに「どれを選ぶべきか」まで踏み込みます。
結論を先に言えば——勝者は用途によって変わります。ただし、その「用途による違い」を理解している人と、していない人とでは、年間で数万円から十数万円の差が生まれます。
結論を先に:用途別の勝者
長い記事になりますので、まず答えを出しておきます。
| 用途 | 勝者 | 理由 |
|---|---|---|
| 海外の銀行口座へ送金 | Wise | 手数料が事前に確定。着金額が送金前にわかります |
| 海外から外貨を受け取る | Wise | 現地の口座番号を保有できます |
| 平日の日常的な両替 | Revolut | 平日は仲値で両替可能(無料枠の範囲内) |
| 海外旅行中のカード決済 | Wise / Revolut | どちらも有力。無料枠と週末条件で選び分けます |
| 相手がPayPalしか持っていない | PayPal | 選択肢がない場合のみ |
| 不動産購入など超高額 | 銀行 | 限度額と書類対応の都合で銀行経由が必要になります |
この記事で使う唯一の物差し
「相手に、最終的にいくら届いたか」——これ以外の比較は行いません。
手数料の表示額は、あくまで料金構造の一部です。為替レートに上乗せがあるサービスでは、表示額を見ても本当のコストはわかりません。
4者の料金構造を、分解する
1. Wise:固定+変動、為替は仲値そのまま
Wiseのコスト構造
- 固定手数料——送金1回ごとに数十円〜数百円
- 変動手数料——送金額に対する数十分の一(通貨により変動)
- 為替レート——ミッドマーケットレート(仲値)をそのまま適用。上乗せなし
- 中継銀行手数料——通常発生しません
つまり、コストは画面に表示された手数料がすべてです。送金前に「相手に届く金額」が確定します。
2. 銀行:3層に分かれた、見えにくいコスト
銀行のコスト構造
- 送金手数料——3,000〜7,500円程度
- 中継銀行手数料——1,000〜4,000円程度(受取側で差し引かれます)
- 受取銀行手数料——受取銀行の規定次第
- リフティングチャージ——条件により発生
- 為替レートへの上乗せ——送金額の1.5〜4%程度。明細には載りません
10万円の送金でも、合計すると1万円近くになることがあります。しかも、送る時点では総額が確定しません。
3. Revolut:平日は仲値、ただし条件つき
Revolutのコスト構造
- 平日(為替市場の営業時間内)——仲値で両替できます
- 週末——スタンダードプランでは為替手数料が1%程度かかります
- 無料両替枠——プランごとに月あたりの上限が設定されており、超過分には手数料
- ユーザー間送金——Revolutユーザー同士なら無料
- 銀行口座宛の海外送金——プランと送金先により手数料が発生します
- 上位プラン——月額を払うことで無料枠が拡大します
4. PayPal:表示は安い、為替に隠れている
PayPalのコスト構造
- 送金手数料——一律499円(個人間送金の場合)
- 通貨換算手数料——為替レートに約4%相当が含まれます
- 送金上限——1回あたり100万円程度まで
送金手数料だけを見れば最安クラスです。ところが、為替に約4%が乗るため、金額が大きくなるほど不利になります。
同じ条件で並べる:10万円を海外口座へ送る
それでは、実際に比べます。日本円10万円を、米ドルで海外の銀行口座に送るというシナリオです。
| サービス | 表示手数料 | 為替に隠れたコスト | 実質総コスト | 順位 |
|---|---|---|---|---|
| Wise | 約600円 | 0円 | 約600円 | 1位 |
| Revolut(平日・無料枠内) | 送金手数料(プラン次第) | 0円 | 数百円〜 | 2位 |
| PayPal | 499円 | 約4,000円 | 約4,500円 | 3位 |
| 銀行 | 約3,500円 | 約2,000〜4,000円+中継手数料 | 約7,000〜10,000円 | 4位 |
※いずれも概算のモデル値です。実際の金額は通貨ペア・送金額・支払い方法・時期・プランにより変動します。
PayPalの「一律499円」という表示だけを見ていたら、4,000円の為替コストには気づけません。ここが、比較記事の多くが取りこぼしている部分です。
金額を変えると、順位はどう動くか
1つの金額だけで判断するのは危険です。金額帯を変えて検証します。
| 送金額 | Wise | PayPal | 銀行 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 1万円 | 約120円 | 約900円 | 約5,000円 | 少額ほど銀行は絶望的です |
| 10万円 | 約600円 | 約4,500円 | 約9,000円 | 差が明確になります |
| 50万円 | 約2,700円 | 約20,500円 | 約20,000円 | PayPalが銀行に並びます |
| 100万円 | 約5,400円 | 約40,500円 | 約35,000円 | PayPalが最下位に転落 |
※固定手数料70円、変動手数料率0.53%、PayPal為替上乗せ4%、銀行送金手数料3,500円+為替上乗せ3%として試算した概算です。
読み取るべき法則
- 固定コスト型(銀行)——金額が大きいほど、率としては相対的に軽くなります
- 率コスト型(PayPal)——金額が大きいほど、絶対額が青天井に膨らみます
- 低率+低固定型(Wise)——どの金額帯でも安定して有利です
つまり、PayPalは「小額を手軽に」という用途に限定して使うべきであり、高額送金に使うと銀行より高くつくことさえあるということです。
自分の金額で、実額を確かめる。
送金画面に金額と通貨を入れるだけで、手数料も着金額も表示されます。登録は無料で、確認だけなら費用はかかりません。
Wise vs Revolut:最も悩ましい比較
この2つは、性質が近いようでいて、設計思想が異なります。
| 比較項目 | Wise | Revolut |
|---|---|---|
| 両替レート | 常に仲値 | 平日は仲値(無料枠内) |
| 週末の両替 | 条件は変わりません | スタンダードでは1%程度の手数料 |
| 無料枠の上限 | 両替に無料枠という概念はありません | プランごとに月間上限があります |
| 海外口座への送金 | 手数料が事前に確定。着金が安定 | プラン・送金先により条件が変わります |
| 現地口座番号の保有 | 主要通貨で受取用の口座情報を持てます | プラン・地域により対応が異なります |
| ユーザー間送金 | 通常の送金として処理されます | ユーザー同士なら無料 |
| 月額費用 | 0円(無料プランのみ) | 無料プランあり。上位プランは月額制 |
判断基準は「無料枠の内側で収まるか」
Revolutの魅力は、平日の仲値両替が無料枠の範囲内であれば、実質ノーコストという点です。ところが、その枠を超えた瞬間、条件は一変します。
── 枠の内側にいる限り強い。外に出ると弱くなる設計一方のWiseには、そもそも無料枠という概念がありません。常に「固定+変動」という同じ式が適用されます。金額が増えても、週末になっても、ルールは変わりません。
実用的な結論:併用が最適解です
- 日常の少額両替・カード決済——Revolut(平日・無料枠内)
- 海外口座への送金・外貨の受け取り・まとまった両替——Wise
- 週末に両替が必要になった——Wise
- フリーランスの報酬受取・請求書払い——Wise
どちらも口座維持費は無料ですので、両方持っておいて、場面で使い分けるのが金額的には最も合理的です。「どちらか一方を選ばなければならない」という前提自体が、実は不要なのです。
Wise vs PayPal:比べる土俵が違う
PayPalは、もともと決済サービスです。海外送金は機能の一部にすぎません。
| 比較項目 | Wise | PayPal |
|---|---|---|
| 本来の役割 | 海外送金・外貨管理 | オンライン決済 |
| 送金手数料 | 固定+変動(低率) | 一律499円 |
| 為替レート | 仲値(上乗せなし) | 約4%相当の上乗せ |
| 送金上限 | 高い上限が設定されています | 1回100万円程度まで |
| 相手の必要条件 | 銀行口座があればOK | 相手もPayPalアカウントが必要 |
| コストの見え方 | 画面にすべて表示されます | 為替に隠れて見えません |
PayPalの「安さ」は、金額が小さいときだけ成立します
1万円の送金なら、499円+為替400円で合計900円。悪くありません。
ところが50万円なら、499円+為替20,000円で約20,500円。銀行と並びます。100万円なら約40,500円で、銀行より高くなります。
「一律499円」という表示が、金額に関係なく安いという印象を与える——ここに罠があります。
Wise vs 銀行:構造的に勝負にならない理由
銀行の海外送金が高いのは、怠慢ではなく構造です。
銀行が高くなる仕組み
銀行の国際送金は、SWIFTという仕組みを通じ、複数の銀行をバケツリレーする形で行われます。日本の銀行 → 中継銀行 → 受取銀行、という経路です。
この経路上の各行が、それぞれ手数料を取ります。しかも中継銀行の手数料は、送金する時点では確定しません。だから「いくら届くか」が事前にわからないのです。
一方のWiseは、各国に現地口座を保有し、国内送金として処理する仕組みを採っています。日本で受け取り、現地の口座から現地送金として支払う——国際送金の経路を通らないため、中継銀行手数料が発生しません。
それでも銀行が必要な場面
公平を期すために書いておきます。銀行でなければ対応できない場面は存在します。
- 不動産購入など、数千万円規模の送金——送金限度額の都合
- 受取側が「銀行発行の送金証明」を要求する場合——留学の資金証明など
- 対応通貨がない国・地域への送金
- 特殊な書類対応が必要な取引
これらに該当しないのであれば、銀行を選ぶ金額的な理由はありません。
「手数料無料」という表示の、読み方
海外送金の世界で、「手数料無料」は「コストがゼロ」を意味しません。ほとんどの場合、それは為替レートに上乗せされていることのサインです。
── 無料と書かれたら、レートを見てください検証の手順(5分でできます)
- Googleなどで「USD JPY」と検索し、その時点の仲値を確認します
- 比較したいサービスの画面で、送金額を入力します
- 表示された適用レートを、仲値と比べます
- 差が「隠れたコスト」です
仲値が150.00円で、適用レートが156.00円なら、4%が上乗せされていることになります。10万円なら4,000円です。
年間コストで見た、使い分けの効果
月に10万円を海外へ送る方の、年間コストを試算します。
| 手段 | 1回あたり | 年間(12回) | Wiseとの差 |
|---|---|---|---|
| Wise | 約600円 | 約7,200円 | — |
| PayPal | 約4,500円 | 約54,000円 | +約46,800円 |
| 銀行 | 約9,000円 | 約108,000円 | +約100,800円 |
年間10万円。これは、手段を変えるだけで消える金額です。何も我慢せず、何も減らさず、ただ経路を変えるだけで。
さらに、まとめれば下がります
月1回を年4回にまとめれば、Wiseの固定手数料は3分の1になります。為替の有利な水準を待てるなら、さらに大きな差が生まれます。
手数料0.5%を削る努力より、為替1%を捉えるほうが金額としては大きい——この視点を持てるのは、コストが透明なサービスを使っている人だけです。
比較に関するよくあるご質問
海外送金という用途に限れば、Wiseです。理由は3つあります。
- 為替レートに上乗せがない——最大のコスト源が存在しません
- 送金前に着金額が確定する——比較してから実行できます
- 条件が変わらない——週末も、金額が増えても、同じ式が適用されます
ただし、Revolutとの併用はコストを増やしません(どちらも口座維持費は無料です)。絞る必要がないなら、絞らないほうが合理的です。
条件つきで正しいです。平日、無料両替枠の範囲内であれば、Revolutは仲値で両替でき、非常に有利です。
ですが次の条件では不利になります。
- 週末——スタンダードプランでは1%程度の為替手数料
- 無料枠を超えた分——手数料が発生します
- 海外の銀行口座への送金——プラン・送金先により条件が変わります
つまり、「日常の少額両替」ではRevolut、「まとまった送金」ではWiseという棲み分けが実態に近いのです。
送金手数料は安いです。問題は為替レートです。
PayPalの通貨換算では、為替レートに約4%相当の手数料が含まれます。10万円なら約4,000円。499円の8倍です。
この4,000円は明細に「手数料」として載りません。レートの中に溶けています。だから「一律499円だから安い」という印象だけが残るのです。
相手がPayPalしか受け取れない、少額である——この2条件が揃ったときにだけ使う、という位置づけが妥当です。
窓口より安いのは事実です。ネット経由なら送金手数料が3,000円程度に抑えられる銀行もあります。
ですが、為替レートへの上乗せは変わりません。1.5〜4%という部分は、ネットでも窓口でも同じです。10万円なら2,000〜4,000円がここで消えます。
さらに中継銀行手数料は受取側で差し引かれるため、送金手数料の安さだけでは判断できません。
変動手数料は金額に比例するため、絶対額は増えます。ただし率は低く抑えられており、他社の為替上乗せ(1.5〜4%)とは桁が違います。
100万円の送金なら、Wiseが約5,400円に対し、PayPalは約40,500円、銀行は約35,000円という試算になります。高額になるほど差は開きます。
なお、月間の累計額が一定のしきい値に達すると、それを超える部分にはより低い手数料が適用される仕組みもあります(しきい値は高く、個人利用ではまず到達しません)。
Wiseは口座開設・年会費・維持費すべて0円です。使わなければ費用は発生しません。
Revolutにも無料プランがあります。上位プランは月額制です。PayPalも個人アカウントの開設は無料です。
したがって、比較のために全部作ってみるというのは、コスト的には問題のない選択です。実際の画面で着金額を比べるのが、最も確実な検証方法です。
Wiseは手数料が事前に明確で、送金スピードも安定して速いという評価が一般的です。主要通貨では当日〜翌営業日の着金も珍しくありません。
銀行のSWIFT送金は2〜5営業日が目安で、中継銀行の状況により遅延することがあります。PayPalはアカウント間であれば即時ですが、そこから銀行口座への出金には日数がかかります。
いずれも各国の規制下で運営されています。Wiseは日本において、ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が資金移動業者(関東財務局長第00040号)として登録されています。
資金移動業者は、利用者から預かった資金を法令に基づき保全することが義務づけられています。銀行の預金保険とは異なる仕組みですが、無規制ではありません。
まとめ:勝者は「用途」が決めます
この記事の要点
- 比較の物差しは「相手に届いた金額」だけ。手数料の表示額では判断できません
- PayPal——送金手数料は一律499円だが、為替に約4%。高額では銀行より高くなることも
- 銀行——送金手数料+中継手数料+為替上乗せの3層。10万円で1万円近く
- Revolut——平日・無料枠内なら仲値で強い。週末と枠超過で条件が変わります
- Wise——固定+変動のみ、為替は仲値。条件が変わらないことが最大の強み
- 海外口座への送金・外貨受取ならWise、日常の両替ならRevolut。併用が最適解
- 月10万円の送金で、年間10万円の差が生まれます
海外送金の比較は、手数料の数字を並べた瞬間に間違いが始まります。見なければならないのは、為替レートです。そして、それを確認できるのはコストを金額で明示しているサービスだけです。
どれを選ぶにせよ、最後に一度だけやってみてください。同じ金額、同じ通貨、同じ日に、複数の画面を開いて着金額を比べる。この5分が、年間十万円の差を可視化します。
Wise 海外送金 / 公式招待リンク
比べた人ほど、
ここに戻ってくる。
Wiseは、銀行間で実際に使われている為替レート(ミッドマーケットレート)をそのまま適用し、手数料を為替に上乗せせず金額で明示する海外送金サービスです。週末でも、金額が大きくなっても、適用されるルールは変わりません。送金前の画面に、手数料・適用レート・相手に届く金額のすべてが表示されます。
だからこそ、他社と比較したときに数字がそのまま比較材料になります。日本ではワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が資金移動業者(関東財務局長第00040号)として登録されています。下記の招待リンクからご登録いただくと、初回の海外送金手数料が一定額まで無料になる特典が案内されます。
- 紹介リンク経由なら、初回送金手数料が無料になる特典が案内されます
- 為替レートへの上乗せなし。コストは常に金額で表示されます
- 送金前に着金額が確定。他社と並べて比較できます
- 中継銀行手数料が発生しない仕組み。受取額が目減りしません
- 主要通貨の受取用口座情報を保有でき、外貨の受け取りにも対応
- 口座開設・年会費・維持費はすべて0円。比較目的の登録でも損はありません
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